【書評】『投資依存症 こうしてあなたはババを引く』森永卓郎著|要約|感想

読書
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前回の投稿【書評】森永卓郎『書いてはいけない』のあらすじと感想|メディアが報じない真実とは?に続き、衝撃的な本の紹介です。

『投資依存症 こうしてあなたはババを引く』は、森永卓郎氏が亡くなる直前に書いた本で、『書いてはいけない』同様、Amazonでベストセラーになり、多くの人が読み、高評価をしています。

この本では今、日本の政府が推し進めている「貯蓄から投資へ」というスローガンが、本当に私たちのためになっているのか、という問いかけがされています。また、森永卓郎氏が命をかけて、私を含めた庶民にとって、大切な資産の守り方を教えてくれています。

今回は、その森永氏が私たちに伝えてくれている、大事な資産の守り方を解説していきます。また、私の感想、その他の読者からの評価にも触れていきます。


『投資依存症 こうしてあなたはババを引く』森永卓郎著|要約まとめ

書籍『投資依存症』の要約

『投資依存症』は、経済評論家である森永卓郎氏が、現代人が陥りやすい投資の罠について警鐘を鳴らす一冊です。内容の中心は「なぜ投資が依存の対象になるのか」という問題提起であり、同時に日本社会の構造にも言及しています。

本書では、投資で破滅する人たちのリアルな姿を通じて「投資=善」という風潮に警鐘を鳴らしていあます。特に注目すべきは、ギャンブルやアルコールと同様に、投資も依存症となりうると認知されるべきだという主張です。


森永氏からの”忠告”

「いますぐすべての投資から手を引いて、預貯金に戻し、二度と投資に手を出してはいけない」

森永氏は、ストレートに私たちに忠告してくれています。
「自己責任」「分散投資」「将来の備え」——そういった耳障りの良いフレーズの裏にある、“誰かが誰かを食いものにする構造”を見抜くことが、今後のサバイバルには不可欠だと説いています。


『投資依存症 こうしてあなたはババを引く』感想|深掘り解説

この本を読んでの私の個人的な感想を書き、深堀解説もしていきます。

『投資依存症 こうしてあなたはババを引く』私の感想

私は、森永氏が投資の警鐘を鳴らしていると知る前、積立NISAをやっていました。積立NISAに興味を持ったのは、約4年前。投資関係の本を約20冊読んだ後、庶民の資産形成において正当な方法だと感じ、約3年前からスタートしました。

そして2024年冬ごろ、森永氏が警鐘を鳴らしているのに気づいた段階で、数十万円の含み益が出ていました。投資に関する本を何冊か読んだと言っても、投資の素人の庶民である私は、素直に従った方がいいような気がし、積立NISAに投資していた金額のほとんどを売却しました。トランプ政権に変わる直前のことです。

実は、森永氏の警鐘に気づいた頃、ちょうど私が興味を持っているサアラさんや、その他何人かの方が、「今の資本主義社会が崩壊していく」という話をしているのを聞いていたところだったのです。

ただ、「欲にかられて」しまっていた私は、様子をみたくて、少しだけ売却せずに残しておきました。その間に、森永氏やその他の、暴露している著名人の本を読みながら様子を見ていきたいと思っていた矢先、株価が暴落。

この暴落について、多くの方が「落ちた時が買いどき。待っていれば儲けられる時がくる」と言っています。しかし、私は森永氏たちの言う「資本主義社会の崩壊」という言葉が、本当なのかもしれない・・と感じてしまいます。

この本の中で、私が「ギクッ」とした、森永氏の言葉が以下の3つです。

①欲にかられた自分の身から出た錆

②奢れるものも久しからず

③資本主義が終わる

この3つの言葉について、深堀していきます。

ギクッとした言葉①欲にかられた自分の身から出た錆

一度甘い汁を吸ってしまうと、もう一度その甘い汁を吸いたくなります。それが人間の性、依存症の始まりです。

しかし、イソップ童話の「よくばりな犬」に書かれているように、欲をかいてしまうと、自分の持っている大事なものも結局見失ってしまうことにも繋がります。森永氏は、この例え話を使い、とてもわかりやすく、人間が陥りやすい罠を説明してくれています。

欲をかいてしまうことで、「自分にとって本当に大事なもの」を、見失わないように気をつけなくてはいけない、と感じました。

ギクッとした言葉②奢れる者も久しからず

歴史を勉強していると、栄えている時もあれば、それが崩壊していくこともある、ということの繰り返しだということがわかります。「奢れる者も久しからず」という言葉通りです。

森永氏は、世界を巻き込んだバブルがいよいよ終末期を迎えている、という理由もわかりやすく説明してくれています。

ギクッとした言葉③資本主義が終わる

②とほぼ同じ意味です。森永氏は、「資本主義が終わる」と主張しています。

これは150年前にマルクスも予言していて、その理由を4つ挙げています。その理由は、

①許容できないほどの格差

②地球環境破壊

③少子化

④ブルシットジョブ(ロボットがやるような仕事)の蔓延

これら4つが大きな問題になっている今、資本主義の末期症状を示しているとしています。


書評・レビューから見る読者の反応

多くの読者は『投資依存症』を読んで、「まさか自分が依存症の傾向があるとは思わなかった」と気付かされたと語っています。書評やレビューには、「身につまされる内容だった」「投資にのめり込みすぎていたことを反省した」といった声が多く見られ、読者の多くが内容に共感し、自らの行動を見直すきっかけになっているようです。

一方で、「内容がやや一方的で、もう少し多角的な視点が欲しかった」という意見もありました。つまり、本書はすでに投資を行っている人にとっては、自省の材料となり得ると同時に、バランスの取れた判断も求められていると言えるでしょう。肯定的なレビューだけでなく、批判的な意見も含めて多様な受け止め方がされている点は、内容の深さと問題の複雑さを物語っていると思います。


『投資依存症』のロゴTシャツもある

『投資依存症 こうしてあなたはババを引く』の発売を記念して、ノベルティTシャツも製作されていたようです。

本書が発売された同日2024年9月9日(月)に放送された「大竹まこと ゴールデンラジオ」にて、

大竹まことさん、パートナーの阿佐ヶ谷姉妹の渡辺江里子さん木村美穂さん、森永卓郎さん、古谷経衡さん、砂山圭大郎アナウンサー、ゲストの岡田憲治さんが、ノベルティTシャツを着て出演されていました。

こちらは販売されているわけではないようですが、もし販売されたら、それを着ることで「自分への戒め」となるかもしれないと思いました。


まとめ:投資で人生を破壊しないために

森永氏の『投資依存症』は、私も含め、欲にかられていた人への忠告であると感じています。
心理学・脳科学の観点から、わかりやすく、人間が欲にかられて痛い目を見る理由や、世間ではあまり知られていないところで私たちを操る組織について暴露してくれています。

私たちは「投資はお金を増やす手段ではなく、人を惑わせる“快楽”の装置でもある」という事実を、まずは認識した方がいいかもしれません。

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『投資依存症』は、Amazonのオーディオブックサービス「Audible(オーディブル)」でも配信されており、通勤中や家事の合間など、耳で読書をしたい人にとって便利です。特に本書のような内容の場合、文章だけでなく語り手のトーンや間の取り方によっても印象が変わるため、音声での視聴が理解を深める手助けになることもあります。

また、Audibleの無料体験を活用すれば、初回は無料で本書を聴くことができ、コスト面でもメリットがあります。目を使わずに情報を取り入れたい人や、繰り返し内容を復習したい人にはぴったりの選択肢です。読書が苦手な人にとっても、Audibleは知識へのアクセスを広げる手段となります。

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