『限りある時間の使い方』オリバー・バークマン著|要約&感想|生産性はワナ!

読書
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はじめて読んだのは約2年前。

とても感銘を受け、友人に貸していたのを最近返してもらったので再読したところ、

また新たな気づきがあったので、要約&感想を書きます。

ポイントは「生産性はワナ!時間と戦っても勝ち目はない」

では、どのように時間を使ったらよいのか、です。

『限りある時間の使い方』要約

オリバー・バークマンの『限りある時間の使い方』は、時間管理に関する従来の考え方を見直し、有限である人生をより充実させる方法を提示する一冊です。

生産性とは、罠なのだ。

『限りある時間の使い方』14ページ

現代人は「生産性を高めれば、やるべきことがすべて終わる」と考えがちですが、本書はその幻想を打ち破り、「すべてをこなすことは不可能である」と認めることから出発します。

著者は、私たちの人生の持ち時間が約4,000週間(80年換算)しかないことを指摘し、それをどう使うかが重要であると説きます。現代の時間管理術は、効率化によってより多くのことをこなそうとしますが、それは終わりのない競争を生むだけであり、むしろ焦燥感を高める結果になりがちです。

本書は「すべての時間を有効に使おうとするのではなく、何を諦めるかを選ぶこと」が大切だと説いています。

本書の中心的なメッセージの一つは、「有限性を受け入れることの重要性」です。

時間は無限ではなく、すべてのことを達成することは不可能だという事実を認識し、その上で

「本当に大切なこと」に集中するべきだと著者は主張します。

完璧主義を手放し、すべてを管理しようとするのではなく、意図的に選択し、

限られた時間を最大限に活用することが肝要です。

本書は、時間管理に追われる現代人に対し、より本質的な生き方を提示します。

「限りある時間」をどう使うかを見直し、より充実した人生を送るための指針となる一冊です。

著者オリバー・バークマンとは

著者のオリバー・バークマン(Oliver Burkeman)は、イギリス出身のジャーナリスト兼作家であり、主に時間管理や自己啓発、幸福に関するテーマを扱った著作で知られています。長年にわたり英紙「ガーディアン」にコラムを寄稿し、「This Column Will Change Your Life(このコラムがあなたの人生を変える)」という連載で、ポジティブ心理学や生産性向上のための手法を批評的に検証しました。

私たちが「本当に大切なこと」に時間を使えない理由

本当の敵は自分の内側にいる

『限られた時間の使い方』124ページ

私たちが気晴らしに屈するのは、自分の有限性に直面するのを避けるためです。

つまり、時間が限られているという現実や、限られた時間をコントロールできないという不安を、できるだけ見ないようにしているのです。

本当は、家族ともっと腹を割って話し合う必要を感じていながら、忙しいフリをしてしまうのも、それに当てはまるな、と思いました💦

限られた時間を有効に使うには

ものごとは理想的ではない形で展開していきます。

私たちにできるのは、その事実を受け入れ、現実に身を任せることだけです。

何らかの達成を目標とするのではなく、ただ活動そのものを楽しむこと。

私たちはそんな活動をもっと日々の生活に取り入れたほうがいいのです。

自分が楽しいと思えることをすることが、最善の時間の使い方です。

どれだけ多くの人を助けたか、どれだけの偉業を成し遂げたか、そんなことは問題ではない。時間をうまく使ったといえる唯一の基準は、自分に与えられた時間をしっかりと生き、限られた時間と能力の中で、やれることをやったかどうかだ。
どんなに壮大なプロジェクトだろうと、ちっぽけな趣味だろうと、関係ない。
大事なのは、あなただけの次の一歩を踏み出すことだ。

265ページ

「収入が入らないなら、やる意味ない」と、私も考えがちになっていましたが、そこに虚しさも感じていました。収入のことは関係なく、思いっきり、子供との時間や、自然の中でのんびり過ごす時間を大切にしたいです!

『限られた時間の使い方』感想

世の中に便利な道具が増えるのと同時に、人々は「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と、ますます忙しくなってしまっている現状に、「これは何かが違う・・」と思っていたので、初めて読んだ時に感銘を受けました。

しかし、それから約2年たって再読した今、その時より「自分の本当に大切にしたい」ことに時間を使えるようになっていたかというと、実は、やはりまだ「家族と向き合う」ことから逃げてしまっているところがありました。

もう一度そこに気づくことができたのだから、勇気を出して向き合っていくしかない、と勇気づけられました。

夫からも子供たちからも「人の話をちゃんと聞かない」と文句を言われてしまう現実を受け入れて、「深いところまで聞く」ようにします。

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