『GRIT やり抜く力』アンジェラ・ダックワース著 要約&感想 子供の潜在能力を引き出すには?

読書
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約1年前、知人からの紹介で気になり、読んでみたところ、

これは、「子供の潜在能力を引き出す秘訣が書かれている!」と感銘を受けました。

著者アンジェラ・ダックワースについて

ペンシルバニア大学心理学教授。ハーバード大学卒。2人の娘の母。

近年、アメリカの教育界で重要視されている「グリット」(やり抜く力)研究の第一人者。

2013年、マッカーサー賞受賞。教育界、ビジネス界、スポーツ界、ホワイトハウス、世界銀行、経済協力開発機構など、幅広い分野のリーダーたちからアドバイスを求められ、助言、講演を行っています。

『GRIT やり抜く力』要約

著者のアンジェラ・ダックワース氏は、成功の鍵は、才能ではなく、

「情熱と粘り強さの組み合わせ」である「GRIT(グリット)」

にあると主張しています。本書では、なぜグリットが重要なのか、どのように育てることができるのかを、心理学的研究や具体的な事例を交えて説明しています。

1. 成功の決め手は才能ではなく「GRIT」

多くの人は「成功するには、才能が必要」と考えがちだと思いますが、ダックワース氏の研究によると、

「才能があるから成功するのではなく、継続的な努力をするから成功する」

ことが明らかになりました。

実際、才能があるにもかかわらず努力しない人よりも、

「凡庸な才能でも、長期間努力し続けた人の方が大きな成果を上げる」傾向があります。

彼女は、

「才能 × 努力 = スキル」

「スキル × 努力 = 達成」

という公式を示し、努力がスキルを生み、それを磨くことで成功につながると説明しています。

つまり、努力は才能よりも2倍重要だということになります。

2.「やり抜く力」は「情熱」と「粘り強さ」の2つの要素でできている

やり抜く力は、自分にとってかけがえのないことに取り組んでこそ発揮されます。

それは、自分が本当に好きなことに打ち込むこと。ただ、好きになるだけではだめで、

愛し続ける、ということが必要になります。

自分にとっての「情熱」とはどんなものか、というのは、

「自分が本当にやりたいことは何か?」ということです。

3.「好き」にならないと、努力できない

「必死に努力する以前に、まずは楽しむことが大事」

勉強や習い事に対する研究によって、

威圧的な両親や教師は、子供のやる気を損なってしまうことがわかっています。

一方、自分の好きなことを選ばせてもらえた子供は、ますます興味を持って取り組み、

のちに一生の仕事として打ち込む確率が高くなります。

4.「役にたちたい」+「興味」が大きな力を生む

人間は古代から、生存の確立を高めるために、快楽を追求する生き物でした。一方で、進化する中で、「意義」「目的」を探究するようになっていきました。

「やり抜く力」の強い人は、自分にとっての究極の目標は、自分という枠を超えて、

「人々と深くつながっている」と考えています。

100%自分のことだけ考えて行動する人よりも、

自分のことも社会のためも考えて行動する人のほうが、

長い目で見た場合に、成功する確率が高いことが明らかになっています。

さらに、その仕事に興味を持って楽しんでいる、という人たちが大きな力を発揮しています。

5.「成長思考」「固定思考」

「成長思考」・・「やればできる」と信じて一生懸命努力すれば、自分の能力をもっと伸ばせる、と考える。

「固定思考」・・「才能」は鍛えて伸ばせるものではないと考える。

「成長思考」の人は、精神的・肉体的な健康状態もよく、

周りの人たちと強い絆を持ち、よい関係を築ける傾向にあります。

6.大人が「成長思考」の手本を見せることが重要

子供の「成長思考」「やり抜く力」を伸ばす言葉がけとして、

「よくがんばったね!」などがあります。

(逆に妨げる言葉がけは「才能があるね!」など)

しかし、もっと重要なのは、

私たちがみずから「成長思考」の手本を見せること、です。

「人間はその気になれば、何でも学んで身につけることができる」と心から信じていることを、

行動によって示すことです。

7.逆境に強い脳をつくる

子どもの頃に何かを乗り越えた、うまくできた、という経験は、ずっとあとにまで効果を及ぼします。

これが「成長思考」につながります。

「やればできる!」という言葉には、私たち大人にも勇気を与えてくれる力がある、と思います。

8.「親をまねる」という強力な本能

小さい子がおとなの行動をまねる本能は、非常に強力です。

世界トップクラスのスポーツ選手や芸術家を対象に行った研究で、

「やり抜く力」の鉄人の多くは、親を手本にしている、ということがわかっています。

9.気負わなくていい

ここまで読むと、

「じゃあ、子どもの人生をよい方向に変えてやらなくては!」

と思ったり、焦ったりするかもしれませんが、

気負う必要はありません。

では、どうすれがいいか?

それは、心から相手のことを思って、しっかりと見守ること、です。

そうすると、ちゃんとそれが伝わって、良い変化が起こります。

その子の人生にいまなにが起きているのか、理解しようと努めること。

そして、一緒に乗り越えよう、と手を差し伸べる、ということが大事です。

個人的に、子どもの人生にいまなにが起きているのか理解しようとするためには、自分自身(親)についても、理解しようとする意識を持つ、こともポイントかな、と思いました。

10.まわりに「やり抜く力」を伸ばしてもらう

人は、周りのやり方に合わせるようにできています。

だから、自分だけの力でがんばろうとするより、

集団に溶け込もうとする人間の基本的な欲求を利用する方がラクに「やり抜く力」を身につけることができます。

なので、人とのコミュニケーションも大事になります。

著者の手本から、娘さんたちが感じ取ったこと

著者が娘さんたちに見せた手本から、娘さんたちが感じ取ったことを引用します。

現状に満足すれば、それなりに楽しめることはわかっている。

しかし、自分の潜在能力を最大限に生かすことこそ、かけがえのないことだとわかっている。

この一文に、私も熱くなりました!

私の感想

著者の娘さんが、著者の姿から感じ取った、人間に備わっている潜在能力

私自信はまだ発揮していない気がします。

その状態で、子ども達に、「潜在能力を発揮しろ!」と言っても説得力がないですよね。

実際、私は読書で得た知識を子供たちに伝えたくなり、伝えようとしてきましたが、

「お母さんは口先ばっかり!」

と、つい先日言われたばかりです・・。

なので、まずは、私自身が、自分の潜在能力を発揮する姿を見せることが大事!

というか、子供へ伝えるには、それしかない!と痛感しているところです。

まとめ

・成功の決め手は、才能ではなく、やり抜く力(GRIT「情熱」と「粘り強さ」)

・やり抜く力を育てるためには、「やればできる」という「成長思考」が大事。

・「成長思考」を育てるためには、まわりの大人がその手本を見せることが大事。

以上、私目線でまとめてみましたが、本書にはそれ以外にも、

お子さんの「やり抜く力」を発揮できる環境を整えてあげる秘訣が、

ぎっしり詰まっています☆

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