簡単なあらすじ

日本は今、便利なもので溢れているのに、「幸せ」を感じられず、忙しくて心の余裕を持てなくなっている人が多いと思います。

私もその一人でした。。。
この本は、今アーティストとして活躍されているSHOGENさんという方が、ペンキアートを学ぶためにアフリカへ旅立ち、そこで出会ったブンジュ村の人々から、心に余裕を持って生きることや、その村に言い伝えられている日本人の本当の素晴らしさを教えられ、そこから人生が激変したことを伝えてくれています。また、作家のひすいこたろうさんが、幸せが続く秘訣について解説してくれています。

この本を読んで、私は「幸せを感じる心」を取り戻しつつ、日本人であることに誇りを持てるようになってきています。
とても感動したので、何度も読み返そうと思っています。
タイトルの「今日、誰のために生きる?」という言葉は、ブンジュ村の人たちの挨拶。
「おはよう。今日、誰のために生きる?オレは自分のために生きるから。それではまた。」大人も子供も、そう言います。ショーゲンさんが村に来た当初は、「ショーゲン、空を見上げている?」と声をかけられていました。村では「空を見上げる心の余裕」を大事にしていたので、余裕がなさそうなショーゲンさんを見て、心を配ってくれました。そしてショーゲンさんに、空を見上げる心の余裕が出てきた頃、「今日、誰のために生きる?」という挨拶に変わっていったそうです。
村の人たちが「自分のために生きる」のを大事にしているのは、
「一番最初に大切にしないといけないのは、自分」
ということがよくわかっているから。「自分の魂が喜んでいるか」を自分に問いかけていて、「自分の魂に失礼なことをしてはいけない」ということがわかっているから。
そして、自分の心が満たされていない人が、人のために何かをしようとした時、必ずトラブルが起きる、ということも知っているから。
だから、まず「自分の心を満たすこと」が大事なのです。

私も、「他人のために自分を犠牲にすることが、美徳」という考えを持っていたことがありますが、確かに、自分の心を置き去りにした状態で、他人に尽くすのは、結局誰のためにもならない、と実感しています。
ブンジュ村の村長の言葉も刺さるものばかりですが、私には、村長の奥さんや、村のお母さんたちの言葉も刺さりました。(同じ母としての立場によるものでしょうか。)
私に刺さった村のお母さんたちの言葉とは、
「この世からお金というものがなくなったとしたら、あなたは生きていける人間ですか?」
「ショーゲン聞いて。私は子供を2人も育ててるの。すごいでしょ?」
「失敗しても誰も責めないわよ。だから子供の前で、失敗を隠すのはやめてね。失敗する大人を見るから、子供は安心して未来が描けるんじゃない?」
この3つの言葉に対しての私の気持ちを書いていきます。

この世からお金がなくなっても生きていける?
「この世からお金というものがなくなったとしたら、あなたは生きていける人間ですか?」
村長の奥さんが言うには、いつか紙幣は紙切れ同然となり、価値がなくなる時代が来るそうです。そんな時代を生きられるのは、「愛」を持っている人だけ。愛を持って日常生活を過ごしてきた人は、その時代を生きられるというのだそうです。

紙幣がなくなる時代がやってくる、というのは最近よく耳にします。
村長も、「自分が、自分の一番のファンでありなさい。自分自身を愛で満たしていれば、自分の行為のすべてに愛が宿る」と言います。

私も、なんとなく満たされない気持ちを、お金で解決しようとしていたことがあります。。でも、本当の自分の気持ちを大事にしてあげようとすることが、お金がない世界になっても生きていくために大事なことなのですね。
自分の子育てを大いに自慢
「ショーゲン聞いて。私は子供を2人も育ててるの。すごいでしょ?」
いろんなお母さんが、とにかく自分の子育てを大いに自慢するそう。
「謙遜」を大事にしている日本のお母さんたちの会話の中では、あまり聞かれない言葉です。

私は子育てに集中したいと思い、子供が小さいうちは、外に働きに出ないようにしていましたが、なんとなく、外で稼いでいない自分に後ろめたさも感じ、葛藤していました。この言葉は、「子育てに、もっとやりがい、誇り、喜びを持っていいのだ!」と感じさせてくれました。
失敗する大人の姿を子供に見せる
「失敗しても誰も責めないわよ。だから子供の前で、失敗を隠すのはやめてね。失敗する大人を見るから、子供は安心して未来が描けるんじゃない?」
「失敗は成功のもと」という言葉がありますが、日本ではほとんどの人が、失敗しないように頑張っています。この村では、大人が失敗するのを見せることで、子供は「できないことは恥ずかしいことじゃない」とわかり、失敗を恐れない子供になると考えるのです。
失敗した自分を「かわいい!」と思いながら愛してあげるんですね。

子供の前で失敗する姿を見せるのを怖がっていました!これは私の虚栄心からなのかもしれないですね。
村長も「挑戦するということは、新しい自分に会えるという行為」と言っています。

子供に、「失敗を恐れず挑戦できるようになってほしい」と思うなら、まずは自分がその姿を見せるのが一番効果的だと痛感しているので、この言葉は常に意識していきます。
虫と会話できる民族はポリネシア人と日本人だけ
もう一つ、この本を読んでとてもビックリしたことが、地球上で、虫の音がメロディーとして聞こえる、虫と会話できる稀有な民族が、ポリネシア人(タヒチなど)と日本人だけ、ということです。
「むしのこえ」という童謡にあるように、秋になると、「チンチロリン」とマツムシが鳴く声、「リンリン」と鈴虫が鳴く声を聞いて、風情を楽しめるのは、日本特有だったようです。
村長は、牛の鳴き声は聞こえるし、気持ちもわかるようですが、虫の音だけは、工事現場の騒音のように「ガーガー、ガチャガチャ」としか聞こえないそうです。
「日本人は虫と話をするために、日本語を生んだんじゃないかな」と村長は言いました。
かつて日本人は、世界中で一番、自然から愛されていた人種だったそうです。
虫の音がメロディーとして聞こえるのは当たり前じゃない。
なぜその役割を日本人が与えられたのか?
それは、
幸せとは何か、本当に大切なことは何か、
それがすでに日本人はわかっているから。
だから、日本人には、それを伝えていく役割がある、と。
ここまで話してから、村長がゆとりを取り戻す方法を教えてくれました。
・裸足で大地に立ち、空を見上げる。
・そして虫の音に耳を傾ける。
そうすれば、日本人本来の記憶を取り戻せる、と。
息を整える
またショーゲンさんが村長さんから言われて、今でも胸に刻んでいる言葉は、
「日本人は、ふだん当たり前にやっている所作の一つ一つを、愛していた。日常の一瞬一瞬に、一番喜びを感じていたのは日本人。人間は、自然の一部ではなく、自然そのもの。」という言葉。
そして、どんな時も、まず息を整える。
そうすれば、心に余裕が生まれるから。
息を整えると、自分自身の存在をはっきりと認識することができ、自分の心の中にある本当の喜びを大切にしていきていこうと、改めて思えるから。

「息を整える」ことで、自分の内面と向き合える、というのは、ヨガでも味わえることだと感じますし、日常のふとしたところでも意識することができますよね。そして、そうすることで「自分にとって本当に大事なことは何か」わかってくると思います。私にとっては今のところ「お互いの感じたことを、身近な人と共有し合う」かな、と思っています。
まとめ
私がこの本から特に学んだ内容は以下です。
・誰かのためになりたければ、まず最初に自分の心を満たしてあげる。
・親が失敗しながら成長する姿を、子供に見せていけば、子供も失敗を恐れずに挑戦できる。
・ゆとりを取り戻し、自分を愛せるようになるには、「素足で大地に立ち、空を見上げ、虫の音に耳を傾け、自然と調和しようとする」こと、「息を整える」こと。

私も、もっと自然と触れ合い、調和することを意識して、日本人としての記憶を取り戻していきます!
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